当教室の指導方針①~対局について~
- 浅野康人
- 6月16日
- 読了時間: 4分
いつもご受講いただきありがとうございます。
当教室では日本の伝統文化である囲碁を通じて「自分で考える力をつける」ということを目的としています。
根本的な理念については以下の通りです。

さて本題です。
レッスンは主に「対局」と「プリント」がメインとなります。
どのような指導方針で、どう進めているかを説明していきたいと思います。
まず結論から言いますと、
囲碁を始めたばかりの場合(入門時)はプリントが中心となります。
特に園児さんの場合はプリントの割合が高いです。
入門のお子様にとって、対局のハードルが高いからです。
上達するにつれて対局の割合が少しずつ増えていく、というのが基本パターンとなります。
今回は対局について書いてみたいと思います。
対局はお友達との対局が主で、全体のバランスを見ながらたまに講師が対局に入り、指導碁対局を行います。
対局は「石取り(7路、9路)」から始まり「陣取り(9路▶13路▶19路)」へと移行していきます。
本来の囲碁ルールは全て「陣取り」ですが、陣取りをするための事前トレーニングとして「石取り」をひたすら練習します。これをやっておくと後がラクです。
外部の大会へ参加できるのは、石取りを卒業し、陣取り(9路)で終局まで打てるようになるところが出場ライン(約30級)といえます。
入門時は石取りから始めます。
最も基本的な目標としては、相手を取れそうな場面では相手を取る、自分の石が取られそうなときは助ける、ということなのですが、 1手1手局面が移り変わっていくので、状況判断が難しいのですね。
「今自分の番で何をすべきなのか?」が1手1手変わるということです。
対局は囲碁の肝です。
まずは勝ち負けよりも対局回数を重ねることが大切です。
野球でもバッターボックスに入るのが怖いと言っていたら始まらないわけですね。
まずは打席に立って、振ってみる。
数をこなしていく内に当たったり、空振りしたりで上手になっていくわけです。
対局を重ねることで初めて課題が見えてきて、こちらとしても指導ができるわけですね。囲碁は本当に性格が出て面白く、攻撃型⇔守備型、我が道を行く型、芸術型、etcあります。
お子様の持ち味や個性があるので、そこを大事にしつつ「こうしたら」と指導をしていきます。
ところで対局は、1局ごとに「勝ち負け」を突きつけられてしまいます。
野球やサッカーなどのチーム競技ですと個人の責任というのは曖昧な部分がありますが、囲碁は完全に自己責任です。
それ故に負けたときの精神的ダメージが比較的大きいといえそうです。
トランプや麻雀などは運の要素がありますが、囲碁は対局開始時は同じ条件で始めますし、運の要素はありませんので余計に結果が突きつけられてしまうのですね。
特に園児さんに多いのですが、対局をしたがらないお子様が一定数いらっしゃいます。
主な理由として「①負けるのが嫌だ」「②どう打っていいか良く分からない」が9割を占めます。
どちらもごもっともです。
①については、レッスンでの対局は全て練習であること、負けたからと言って地球がひっくり返るわけでも無いし、何かあるわけではないこと、勝ち負けよりも回数を重ねることが大事であること、、、等様々な角度で指導をしていきます。
それでも打ってくれない場合についてはまた後日。
②についてもごもっともなのです。
私たち講師陣ですら良く分からないことが本当に多いのです(笑)
本当に奥が深いゲームで、わからないことだらけなのですね、だからこそ面白いのですが。
囲碁はこれが最善など答えが出る場面も多いのですが、本質的には自由なゲームなので「自分がどうしたいのか?」を表現していいわけですね。
ゆえにいつも答えがあるわけではないので、答えを求めてしまうタイプの子だと「どうしたらいいかわからない」となってしまうわけです。
ですので「自分はどうしたいの?」ときき、「この石を取りたい!」「この石だけは取られたくない!」などと自分がどうしたいのかを考えて、好きな手を打って良いんだよ、というふうに指導します。
囲碁で負けるということは、自分に悪い手があった、と考えるのは自然なことですね。
学年が上がりレベルがあがっていくと、自分の方が悪い手を打ったわけなので、どこが悪かったのか?を反省し、次の対局にその反省を活かせれば負けたことはとても価値があるので、そのように伝え、負けることが悪くないのだ、ということを理解できるようになっていきます。
対局はいろんなお子様と打ったほうがもちろん楽しく練習になります。
色んな場所でいろんな人と打っている、その局数が多いほどやはり上達は早いものです。
当教室では様々な会場でレッスンを行っていますし、月に2回、色々な教室からお子様が集まり2時間ガッツリ対局をする「日曜対局」も実施しています。
また夏休みなどには「特訓」を実施し、いつもと違う対局練習を行います。
振替として参加もできるので、どんどん対局をしていってほしいと願っています。
今回は「対局」について話しました。
次回は「プリント」について記したいと思います。
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